診療の特色
めまいについて
レッドフラッグは中枢性のめまい。小脳や脳幹のような体のバランスに関係した脳の出血や梗塞です。そんな怖いめまいを頭部MRIで除外することから始まります。
今までこんなにひどいめまいは経験したことがない。高血圧のような脳血管障害をおこしやすい病の治療中である。そんな人はまず脳神経外科に相談してください。
そうしたレッドフラッグが否定されて普通のめまいと診断されたら西洋医学にも東洋医学にも対処法があります。
普通のめまいの多くは内耳障害による末梢性のめまいであり、西洋医学では難聴や耳鳴りのような聴覚障害をともなうメニエル病、めまいだけなら良性発作性頭位めまい症と診断される。治療はメイロンの点滴とか、メリスロン、セファドールといった薬が処方されます。
東洋医学では血虚と水毒を考える。
血虚のめまいは西洋医学の貧血に近い。内耳や脳に供給される血が不足することでめまいを生じる。治療は四物湯や帰脾湯のような漢方薬による補陰・補血をします。
水毒のめまいは西洋医学のメイロンやメリスロンによる治療と似ています。内耳のリンパ水腫から余分な水を除くイメージです。半夏白朮天麻湯や苓桂朮甘湯のような利水の漢方薬をつかう。
体に溜まっている余分な水を東洋医学では痰飲と呼びますが、これは温めたり気を巡らすと取れやすい。
そこで冷えている人は真武湯のような補陽剤を併用したり、気滞とくに肝気が鬱結しているときには四逆散のような疎肝理気剤を併用する。
多くの人が血虚系と水毒系のめまいの混合になっています。だから江戸時代に連珠飲という処方が考案されました。四物湯+苓桂朮甘湯のことです。