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診療の特色

更年期について

 女性ホルモンが足りない「障害」だから補充すればいいという考え方には疑問を感じます。生理がある生殖適齢期は正常であり、閉経して女性ホルモンが減ってきたら異常であるかのような線引きですから。

 更年期は女も男も誰もが一生のなかに経過する一時期なのですから共存できるものなら自然にまかせたいところです。

 たとえば首から上の火照りと異常発汗のいわゆるホットフラッシュ。漢方薬を飲んで良くなったと評価されるのは3割くらいでしょうか。治療は難しい。

 ホルモン補充療法が効くことはわかっているのですが、そんな不自然な治療を受けるよりも漢方薬でなんとかならないか悪戦苦闘しながら患者さんと併走していくのが僕の役割になります。

 ホットフラッシュの治療については鍵になるのが当帰による補血柴胡桂枝による理気という印象を持っています。

 よく使われるのは加味逍遙散でしょうか。この方剤はイライラを指標に選ぶことが多いのですが、そんな興奮性の情動ばかりではありません。自信がない、不安だ、うつ状態のようなブルーの情動でも効果があります。この方剤は血を増やす補血、気を巡らす理気、血のよどみをとる駆瘀血、消化器を元気にする補気の4つのバランスがとてもいい。

 この加味逍遙散に桂枝加竜骨牡蛎湯を加えると不快な発汗が減って喜ばれることがあります。
 さらに補血を足すには帰脾湯四物湯を併用したり、駆瘀血を足すのに桂枝茯苓丸を併用したり、いろいろと工夫しているうちに評価してくれる方がでてきます。