診療の特色
頭痛について
レッドフラッグはクモ膜下出血、動脈解離、脳出血、髄膜炎など脳自体に大変なことが起きている病になります。いままでにこんな激しい頭痛は経験したことがない、高血圧のような脳血管障害のリスクを抱えている、そんな人は至急で頭部MRIを撮影した方がいい。
普通の頭痛と診断されたら西洋医にできることは少ないと思います。治療手段のあるのは片頭痛くらいでしょう。嘔気と頭痛のためになにもできず寝込んでしまう。そんな片頭痛であればトリプタン系薬剤が著効します。この薬は頭痛外来に革命を起こしました。
でも緊張性頭痛のような普通の頭痛には消炎鎮痛剤のロキソニン頓用とか抗不安薬のデパスといった対応になる。
東洋医学なら普通の頭痛にいろんな工夫ができます。
消化器が冷えて食欲がなく下痢をしているような冷え症を真武湯や附子理中湯で温めると頭痛が取れることがあります。このような人にロキソニンみたいな消炎鎮痛剤をつかうと頭痛は悪化します。
東洋医学では肝がストレスを受け止める自律神経のような働きをしていると考えます。肝の陰液が消耗すると虚熱が生じ上昇して頭を犯す。地黄や当帰で肝の陰液を増やすと頭痛が取れることがあります。四物湯や帰脾湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯などをつかいます。
それから西洋薬の消炎鎮痛剤で頭痛が取れても消化器が冷えて胃痛や下痢になる人には釣藤散に含まれている石膏のような清熱薬が効くかもしれません。
あとは気の巡り。気滞になるとイライラしたりゲップが出たり頭痛になったりしますから四逆散、半夏厚朴湯などで気を巡らしてあげる。これを理気といいます。