はじめまして
診察室からながめる中庭です。
部屋に入ってくる患者さんには病しかみえない。
そんな視線が医者の顔ではなく
窓の外の四季のうつろいに向かったら、
私の役割はほぼ終わっています。
春、美味しそうなこごみが芽吹き
夏、夏椿が清楚で静かな花を咲かせ
秋、その葉が奥ゆかしく紅葉し
冬、雪景色になる
こんな診察室で私は手に触れ脈をみて診断し
西洋薬に漢方薬を併用してあげる。
血液検査や画像でデジタル化した人間を
効率よく診断する。
それも大切なこと。
でも人間は時計じゃない。
だから時代遅れの「手あて」を大切にしたい。
西洋医学は理路で善と悪を線引きしようとします。
悪を取り除く瀉の医療です。
発熱していたら解熱する。
感染はウイルスや細菌をやっつける。
癌は切り取ればいい。
東洋医学は理路で善悪の境界線を引くよりも
治るという事実を大切にしています。
悪を取り除くというイメージではなくて
温めたり血を増やしたり、
補うことで自然治癒を支えようとしている。
西洋医学は病を治そうとするでしょう。
東洋医学にとって治るとは自然からの「賜りもの」。
そんな西洋医学と東洋医学を融合したい。