はじめまして
西洋医が普通のかぜを診たらどんな治療をしますか。
ロキソニンのような解熱鎮痛剤や抗生物質を処方しますよね。
これってかぜ薬でしょうか。
ロキソニンで熱が下がり頭痛がとれるかもしれない。
でもこれは対症療法です。
かぜは細菌感染ではなくウイルスによる上気道の感染症ですから、細菌を殺すための抗生物質は効きません。
つまり西洋医学にかぜ薬はないのです。
西洋薬が余計な干渉をすることになって反ってかぜの自然治癒を妨げてしまうこともある。
これに対して東洋医学は熱、痛み、ウイルスという「悪」をとり除くのではなく、鍼治療や漢方薬によって体の元気を補い、ウイルスを除去する手助けをします。
かぜの治療で大切なのは胃腸の力を読めるかどうか。
食欲が落ちて下痢になっている。そんな人には、冷えて弱っている胃腸を人参湯や真武湯で温めてあげる。
ふつうの頭痛はどうでしょう。
冷え性で頭痛の人がロキソニンを飲むと体中が冷えて頭痛は悪くなるし、胃痛や下痢を起こしてしまう。これが医原病です。そんな人には呉茱萸湯とか当帰四逆加呉茱萸生姜湯のような漢方薬で温めてあげる。
ふつうのめまいもそう。
西洋医学は内耳の水腫をとるためにメリスロンを処方します。東洋医学にも水滞という概念があり、半夏白朮天麻湯や苓桂朮甘湯で余分な水を利水して気を巡りやすくしてあげる。血が不足している血虚のめまいには四物湯や帰脾湯で血を増やしてあげたらいい。
私は西洋学をまなんだ開業医としてこのようなふつうの病の漢方エキス剤による治療をしています。