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醫院の歳時記

診察室に入りましょう。机は水目桜の一枚板。椅子は職人さんが鉋(かんな)だけで仕上げています。鏡のような表面なので水滴がついても玉のまましみこまない。外は雪景色。

つららか手前にくねり曲がりながら朝日を乱反射していました。

中庭には丸い手水鉢(ちょうすいばち)があります。安土桃山のころの五輪塔の球だったものを日本一の石工(いしく)、西村金造さんが刻んでくださった名品なのだそうです。

診察室から見える中庭。木の芽が一斉に騒ぎだすまであと1カ月。私は大地の気が天空に発揚してくる3月が好きです。

こごみが芽吹いてきました。この庭の春は枝の芽よりも一足先に地面から吹き出します。