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醫院の歳時記

中庭に咲いた椿。ヒヨドリがつつくから西王母の花びらはギザギザになってしまう。
これは奇跡的に無傷だった一輪。

開業したとき5本のもみじを植えました。別名グラスツリー。悲しいことにすべて枯れてしまいました。土を入れ替えて植え直したのが夏椿。中央には八角蓮の大きな葉。

秋の朝日はやさしいでしょう。こんな診察がしたいのだけれど、どうしても白と黒の線引きをしてしまう。医者は病のプロだと誤解されていますが、病のことも、ましてや人間のことなどなにもわかっていないのだと思います。

中庭の落葉はなにもしません。そこに息づいている自然の巡りを人知で干渉しない。医療にも通じている私のスタンスです。

松本民芸家具の職人さんが作った椅子と紅葉の庭。女性のように柔らかなシルエット。